ほどけるいと。

優先順位


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~高3~

ずっと無かったデート。

それが,予期せず叶って。

流雨からキスされちゃったりもして。

私は少なからず,浮かれていた。

今月,もう一回だけ。

断られたら,もう誘わないから。

そんな思いから,休日,流雨の時間をたった1日貰えないかと,誘いに探した今。

心臓が,嫌な音を立てている。

たまたま一緒に歩いてるだけかもしれない。

その接点を,私が知らないとしても。

流雨の隣を歩いているのが,今,私じゃない。

それが,どうしても嫌だった。

佐藤 茉莉(まつり) さん。

まだ,私達が1年生のとき。

流雨の隣で笑っていたのは,かつてクラスメートだった女の子。
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