ほどけるいと。

閑話~流雨の隣から見えるもの~

~茉莉視点~



「…流雨,良かったの?」

「え,何が?」



何mか歩いて,私はそっと流雨に声をかけた。

その問いに,流雨は困惑するように私を振り返って。

次に困惑するのは,私の番。

本当に,何にも分かってないの?

琴音さんと目があった時,琴音さんは今にでも泣きそうな顔で笑って。

第3者として,私ですらとても驚いたのに。

今の,琴音さん…

彼女なんじゃ,ないの?

告白したのは,流雨からだって,聞いたことがある。

それを聞いた時に,私は自分の気持ちを自覚したんだから。

間違いなわけもない。

私ですら胸が痛んだのに。



『うん。分かった』



強がりの代名詞みたいなあの言葉を,言葉通りに,受け取ってるの?

信じられない。

そんな言葉が胸に巣食う。
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