秘書はあらがえない気持ちを抱いて
この進一郎と理央のやり取りは今に始まったことではない。

そして、その間に入る俺のやり取りも今に始まったことではない。

そして今日も、理央は進一郎に急かされる形で帰って行く。

「じゃあまた来るよ。」

「理央、玄関まで送る。」

俺は進一郎を残し部屋を出た。

「なあ、瑛二。なんかお前、雰囲気変わったな。」

「えっ?そうか?特に何もしていないが。」

「なんか、こう、フェロモンだだ漏れって感じ。」

「ハハハッ、なんだよそれ。」

「自覚がないって危ないぞ。」

「自覚も何も、フェロモンなんて出てないからな。」

「出てるよ。抑えが効かなくなりそうだ。」

「えっ…それってどういう…」

最後まで言い終わる前に、理央は俺の腰に手を回し引き寄せると、キスを落とした。



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