ユウへ
あなたが産まれる予定日の検診には、私は自分で車を運転して行って、ハンドルにお腹がつかえていました。

無茶なと言われたけど、痛くも何ともなかったし、お金もなかったしね。

「まだまだ一週間は産まれませんね。」

と、言われ、産気づく注射を打たれて、まだまだ陣痛が来ないと聞いてたから、病院を出て、信号一つ過ぎたあたりでいきなり陣痛。

何とか家に帰って、ユウのお父さんやおばあちゃんに来て貰って、一回病院に行ったら、

「まだ早い!」

と、追い返され、自宅のベッドで苦しんだあげく、あなたのお父さんに病院に連れて行って貰ったのよ。

そしたら、

「こんなに長くよく我慢したわね。」

ですって。

冗談じゃないわよ。

もっと早く行けば良かった。

体力つけなきゃって、家でご飯食べてたら、普通に喋って、食べているのに、陣痛がきた時は、おにぎりを手にしたまま、いきなり倒れて背中撫でて貰う繰り返しだったわ。

今になるとその光景、なんだかおかしくて笑っちゃうね。

そうこうして、看護婦さんの言う通りの間隔には足りなかったけど、真夜中に病院に押し掛けたら、

「もっと早くにネをあげると思ってたわ。」

我慢損よね。
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