【コミカライズ連載中】姉に婚約者を寝取られたので訳あり令息と結婚して辺境へと向かいます~苦労の先に待っていたのは、まさかの溺愛と幸せでした~
そしてまたアクセサリー、靴、帽子、デイドレスを真剣に選ぶ彼を見て呆然としていた。

どうやらマルカン辺境伯も亡くなった夫人にこうして毎年、大量のプレゼントを贈っては「もう十分」だと怒られていたそうだ。

ゼルナは「父の気持ちが初めて理解出来た」と嬉しそうに笑っている。

今までにないくらい楽しそうなゼルナと大量のドレスを購入して、パーティーに着ていくドレスと燕尾服も、デザインや色がお揃いになっているものをオーダーした。

荷物が乗りきらないからと後ほど馬車を送る事になる程だった。
そんなゼルナは馬車の中で満足気に頷いている。


「やっぱりウェンディには淡い色がよく似合うような気がするんだよね」

「ゼルナ様……」

「あぁ……でもやっぱりあのピンクのデイドレスも買うべきだったかな?」

「ゼルナ様、買い過ぎです……っ!」

「そうかな?まだ足りないくらいじゃないか?」

「もう十分ですから……!」


ブンブンと勢いよく首を横に振る。
こんな贅沢をしていいのだろうか、そんな不安からか無意識にマイナスの言葉を口にしてしまう。


「勿体ないです。私なん……っ!?」

「しっ……」


“私なんかに"

そう言おうとした唇をゼルナがそっと指で押さえた。
吃驚して口を閉じたまま彼を見ていた。
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