妹と人生を入れ替えました~皇太子さまは溺愛する相手をお間違えのようです~
 『凛風』として戦うのがわたし自身ならば良い。
 だけど、もしも華凛に後を任せるのだとしたら、このやり方じゃダメだ。
 あの子は武力を持たない。その代わりに女性らしく、優雅に――――その実、強かに戦うに違いない。真っ向から立ち向かうのではなく、別の方向から切り返していく筈だ。


【先の宴でご挨拶ができる日を、心から楽しみにしております】


 数行の手紙を認め、それを使者へと託す。
 この内容ならあまり波風を立てず、相手の出方を窺いながら戦っていくことが出来るだろう。


(皇后、か)


 小さくため息を吐きつつ、わたしは肩をぽきぽき鳴らした。
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