スキナダケ
イチは高校三年生。
九月に十八歳になるって言ってた。

ハナは八月…もうすぐで十四歳になる。
四つも上のお姉さん。
イチもゼロと同じ、高校生。

高校生って死にたいお年頃なのかな。
イチは家族とうまくいってないんだって。
優秀なお姉ちゃんといつも比べられて蔑まされて、自分は家族に必要の無い存在なんだって悲しそうに話してた。

待ち合わせ場所で制服姿のハナを見つけたイチは、うっとりとハナのカッターシャツを撫でて、ネクタイを外そうとしてきた。
まだ駅前なのに。

「早いよ」

「あっ…、ごめんね」

ネクタイを触っていたイチの手の平を取って鼻先に近付けてみたら、甘い香りがした。
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