メイク

「える、死んだの......?」

零れ落ちる僕の声。

うつろな母さんの瞳が僕を捉えた。

父さんが静かに首を縦に振る。

その数秒間で、僕の感情は堰を切ったように溢れ出す。

「あああああああああああああああ!!」

わからない、わからない。

僕は何もわからない。

ただただ叫ぶ。

永璃が死んだ。永璃が死んだ。永璃が死んだ。

永璃がいない。永璃がいない。永璃がいない。

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