政略結婚から逃げたいのに旦那様から逃げられません
自分が動いたことで、結果、自ら積極的に脱いだことになってしまった。

「なるほど……簡単に脱げるようになっているのだな」

変に納得したように解けた紐の端をまだ持っているルイスレーン様と目が合った。

白のレースで出来たビスチェからはみ出る上胸の盛り上がりを見下ろされる。

ビスチェの丈はお臍から十五センチは短く、パンティはお臍の下十センチかしかない。

「マリアンナに褒美を与えなければいけないな」

殆ど裸の私を見てルイスレーン様が呟く。何の褒美かは彼の瞳に宿った欲情の炎を見て理解する。

つまり彼は私の羞恥心を犠牲にしたこの演出がお気に召したようだ。

「や、見ない……」

私の腕が隠そうと動く前に彼の手が腕を掴んでそれを押し留める。

恥ずかしさに顔を伏せると、目の前にガウンの前がはだけた彼の胸元がばっちり見えた。

「アイリ……恥ずかしいのはわかるが、顔を上げて……」

寝台に登って手を握ったまま、膝を寄せて来た彼が優しく諭すように言う。
ゆっくりとルイスレーン様の顔を見上げる。

「震えているね。私が怖いか?」

「怖くは………これはむ、武者震いです」
「武者………戦に出るのか」

どこか愉快そうに響く彼の声と共に吐息が肌を掠める。

彼は私の顎に手を掛け上向かせると、深く唇を重ねてきた。強張っていた私の体は緊張が解け、彼の唇が触れると同時に彼の舌を受け入れた。

肩を抱かれて引き寄せられ、自分も彼の肩に腕を回して体を密着させた。

殆ど裸で直接触れる彼の体温が私を安心させてくれる。その安心感とともに別の感情が沸き上がる。それは彼の口づけと愛撫がもたらしているもの。

総レースの下着の上から彼の手が胸を包み、揉みし抱かれる内に寝台の上に横たえられた。唇から離れた彼の唇が次第に下に降りていき、胸の膨らみを下着の上から口に含まれると、思わず喘ぎ声が洩れた。

彼の舌が乳首の回りを舐め、もう片方も指で撫で回され快感に身が震えた。
いつの間にか勃ち上がった乳首がレースの編み目からはみ出て、それを彼の指に摘ままれ、反対側は更に吸い上げられた。

「ん……ルイスレン……」

腕の痣を避けて彼の手が、唇が体のあちこちに触れる。

背中をのけ反らせて彼にしがみつくと、太ももをすり合わせ足の付け根がしっとりと濡れてくきた。

「もう濡れているのか」

胸に触れていた手が履いている下着の上から触れる。薄いレースは既にぐっしょりとなっていて、付けたままでも形がわかるくらいに張り付いていた。濡れた秘部に指を沿わせて掠れた声で囁かれると、更に奥から愛液が溢れ出てきた。

「んん……」
「どこが気持ちいいのか我慢せず教えて欲しい」

唇を噛み喘ぎ声を堪えていると、彼が耳元で囁いた。

「私はあなたの全てが知りたい。素直にどうして欲しいか言って欲しい」

私がどう感じているか、どうして欲しいか、あの人は一度も訊ねてくれなかった。
涙目で彼を見上げると、欲望に煙る緑とオレンジの入り交じった瞳とぶつかった。

「直接……触って……」

薄いレースでも十分彼の熱は伝わったが、それでも物足りなかった。

「それから?」

下着の中に手を滑り込ませ、濡れた部分に彼の指が触れ少し力を加えて中に押し込まれた。
同時に片方の手で胸を覆っていた下着を取り払われ、剥ぎ取られた反動で胸が大きく揺れた。

その動きを見て彼の目が愉快そうに細められる。

「もっと……」

そう言うと彼が横の紐を取り去り全てを剥ぎ取る。
それから足を持ち上げ濡れた部分に口を付けた。

「んん……あ……ん……そ、そんなところ…」

それは初めての経験だった。愛理の時でもそこに口付けられたことがなかった。
舌が裂け目に沿って這わされ、隠された秘芽を吸い上げられると、感じたことのない衝撃にびくりと体が跳ね上がった。

「あ……んんん……はあん……そこは……」

「どんどん溢れてくるぞ」

びちゃびちゃ、ずるずると音がして、彼がそこを舐めて啜っている。

「や……そんな……言わない……」

言われると余計に意識してますます体の奥から流れてくるのがわかる。
丸めた舌が入り口に差し込まれ、彼の指が更に押し広げた。

「や、そんなところ……み、見ないで……」

体を折り曲げて彼の頭を押し退けようとするが、足の間から彼が顔を上げて、濡れた唇に舌を這わせて舐めあげたのを見て、その仕草の色っぽさに胸が高鳴った。
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