キミの恋のはじまりは

episode 4



◆ ◆ ◆


はじめは、ただ嬉しかった。

ひとりぼっちだろうと思っていたのに、お隣の彼は私に構ってくれた。

毎朝、迎えに来てくれた。

帰りも、毎日一緒だった。



『莉世ちゃん、うーん?……莉世?…うん、莉世ってよぶ!』

『莉世も。泉ね。くん、いらないからね!』



男の子に名前で呼ばれるのは初めてで、くすぐったかったけれど、特別な感じがしてどきどきした。



『莉世~、一緒に鉄棒やろう!』

『…あれ、鉄棒、もしかして苦手?…んじゃ、何が好き?莉世の好きなこと、一緒におれもしたい!』

『おりがみ?……うわー、すげー、こんなふうに折れるの?!おれにも教えて!』



笑顔がまぶしくて、いつもきらきらしてて、ぽかぽかのお日様みたいな人。


< 93 / 277 >

この作品をシェア

pagetop