flying dolphin
そんな思いも高校2年の春を迎え桜が散った頃、

聖城で紬を嫌らしいナンパから救い出したことにより今は紬と仲良くなれているなんて 高校2年の春がくるまで予想もしなかった。

これから夏を迎えるにあたって 最寄りのバス停が渚である渚ビーチが若者やファミリーで賑やかになる。

そんな夏を前に帰宅中の紬はバスの車窓から夕陽に染まった海を眺めていた。

紬((もうすぐ夏がくるなぁ。見合浜の花火大会見に行きたい気もするけど混むだろうなぁ))

((去年は美海(みう)と一緒に行けたけど 彼氏ができちゃったから誘いづらいしなぁ(汗))

と、その時 バスが走るバイパスと並行にある市道を一台の単車が走ってきた。

紬(え!?)

(あのバイクの人って・・・ア、キラくん?)

アキラは半ヘルを被りサングラスをかけているけど まあ当然 良く知ってる人なら気づけるだろう。

紬((うわぁ!気持ち良さそうだなぁ。。。)

(バイク乗って海風にあたって 夕陽を見ながら。。。気持ちいいんだろうなぁ))

((でも、あの子達って そういえば暴走族なんだよね?。。。))

((暴走族じゃなくてバイク好きの走り屋のチームだって言ってたけど わたしにはその境目がよく分からないなぁ。。。))

((ホントは危険な人達なのかなぁ?でも一緒に居ると とっても優しくて笑える人達だしなぁ))

カァァーーーーーン!!!っと高い爆音を響かせて アキラの単車は並走していたバスから あっという間に消えて行った。

紬((うっわぁ !はっやぁい!!))

紬は夕陽に照らされて走るアキラが見えなくなっても走り去った方をぼんやりと見つめながら小さくなる排気音を聞いていた。
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