掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
プロローグ
《今ご覧になっているのは、本日午後5時の南の空の様子。
向かって左側が東、右が西になります。
さあ、そろそろ日が暮れてきましたね。
今日一番最初に見えた星、一番星は……こちら、西の空に一段と明るく輝く星、金星です。『宵の明星』という名前で知られていますね。
皆さんご存知でしょうか…》

「知ってるー!」

「環、シーっ!」

《さあ、もう少し、時計の針を進めてみましょう…》

天の声がそう言うと、お空はどんどん暗くなり、代わりに無数のお星様が見えてきた。

「わぁ〜っ! キレイ〜!」

「環……静かにしろ!」

「だってー、お星さまがいーっぱいなんだもん!」

「はぁ……お前なぁ、静かにするって約束しただろう?」

「環、お利口さんにしてよう? な?」

「……はーい…」
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