掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜

優しすぎる幼馴染

……全部聞きたかったのに。
拓郎のプラネタリウム、1つも逃したくなかったのに……。

なんだか情けなくて、しばらく誰とも顔を合わせたくなかった。

別れたって聞いていたのに……まだ続いていたんだ。

最低な人だったけど、それでも拓郎はあの人を選んだんだ。

……もうやめようかな。
こんな気持ち、ずっと持ち続けても、全く報われない。


◇◇


通常は鍵が閉まっている屋上だが、文化祭中はたくさんの垂れ幕を吊るしているため、今日は開けてある。

このことを知っているのは生徒会だけ。

もうすぐ正午になる眩しい屋上で、私は一人打ちのめされていた。
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