冷酷御曹司の激情が溢れ、愛の証を宿す~エリート旦那様との甘くとろける政略結婚~

 私はゆっくりと上体を起こして、ベッドに座り直す。それからまっすぐに充さんを見つめた。

「私は充さんが好きです」

 これ以上は誤解し合わないようにはっきりと自分の気持ちを伝える。そして彼の気持ちも知りたい。

「充さんは私のこと……」
「好きに決まってるだろ」

 私が言葉を言い終わらないうちに彼が即答する。

 座っていたパイプイスから立ち上がり、ベッドの縁に腰を下ろすと私の体を引き寄せて、自身の胸の中にすっぽりとおさめた。

「愛してるよ。初めて会ったときからずっと」
「よかった」

 私の顔には自然と笑顔がこぼれた。

 私は充さんに興味を持ってもらえていない。結婚してからずっと抱いていた不安がスッと消えていく。

 私の体を離した充さんが顔を寄せて唇を重ねた。

 お互いの誤解により、だいぶ面倒な遠回りをしてしまったけれど、ようやく充さんと気持ちが通じ合うことができた。

 これから私たちは本当の夫婦になれるのだと思う――。



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