能ある彼女は敏腕社長に捕獲される
無能秘書、全身全霊の大勝負をする
…私や社長が思っている以上に話が進んでいるな、おい。

本日は金曜日、焼き鳥が楽しめる立ち飲み屋でスマートフォンを片手に私は思った。

「お待たせしましたー、砂肝とささみわさびです」

「ありがとうございます」

店員にお礼を言うと、焼き立ての焼き鳥が乗っている皿を受け取った。

砂肝を食べていたら、
「すまん、遅れた!」

兄が駆け込むようにしてやってきた。

「食べ始めたばかりだから大丈夫だ」

私が言い返したら、
「あっ、ずるい!

すみません、ビールとねぎまをお願いします!」

兄は私の隣に並ぶと、店員に注文した。

「それで例の件はどうなっているんだ?」

そう聞いてきた兄に、私は先ほど見ていたスマートフォンの画面を見せた。
< 96 / 145 >

この作品をシェア

pagetop