秘書はあらがえない気持ちを抱いて 【おまけ①】
出会い編 ~進一郎side~
「少し無理をさせたか…」

隣で寝ている瑛二の顔にかかる髪をそっと指で流すと、小さく身じろぎをして長いまつげが揺れた。

「…んん…進一郎?」

瑛二の掠れた声に、思わす苦笑いが漏れてしまう。

散々鳴かせたからな…

「まだ夜中だ、起きるには早い。」

「ん…」

髪を撫でてやると気持ちよさそうに顔が綻び、直ぐにまた小さな寝息が聞こえてきた。

最近では同じベッドで瑛二と一緒に眠ることが多くなったし、常にとは言えないが、主人ではなく恋人として見てくれているのだと、俺との接し方からも分かるようになった。

昔の瑛二からは想像も出来ない進歩だ。

それでも…

俺はお前に…

「もっと甘えてほしいんだよ。」



***************



瑛二と初めて会ったのは6歳の時。
太陽の日差しが強い初夏の頃だった。



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