ダブルブルー
…あぁ…もう、どうしろと云うんだろう。


てのひらにすっぽりとおさまった、暖色系のブーケを見つめる。


てのひらの中に持てるだけ。


それは確実に、久保田さんの配慮、ううん。思いやり、で。


そんな、優しさは人生で味わったことがない。


甘いコトバや仕草。


「…免疫、が…」


「…ん…?」


思わず呟いた私のコトバを、逃すことなく掬い上げた久保田さん。


「…こんな優しさは、免疫が、ない…です」


ちいさな声は、車内では筒抜けで。


「じゃあ、ちょっとずつ、馴れてみる?」


そんなコトバは、それこそ馴れているからなのか。


でも、不快な感じは決してなくて。


答えは蒼ちゃんがだしてくれていいんだよ。


そんな風に言われているみたいな安心感さえ、漂っている。








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