傷だらけの黒猫総長

たじたじな天使



遊園地内のレストランで昼食をとった後は、みんなでゴーカートに向かった。

たっぷり休憩して復活したわたしも、もちろん一緒に挑戦するつもりだ。




「ここ、2レーンで一緒に走れるみたいだね〜。でもどうしよ? 1ペアだけ2人乗りにする?」


「そうだな、1人だけ寂しく走んのも、2周すんのもあれだし。となると、ここは……」


「“なー”、一緒に乗るか」




順番待ちの列に並びながら乗り方についてお話していると、伊吹(いぶき)さんが若菜(わかな)ちゃんに声を掛けた。

パチリと瞬きをした若菜ちゃんは、「え〜」とニッコリ笑う。




「“なー”、1人で運転したいな〜」


「そうか、残念だ。……というわけで、君と皇輝(こうき)が一緒に乗るといい」


「えっ?」


「……分かった」



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