傷だらけの黒猫総長


不安に思わなくていいのに、と思う一方で、黒羽くんもわたしと“お友達でいたい”って思ってくれてるんだ、と考えると嬉しくなる。




「うん。わたしと黒羽くんは、ずっとお友達だよ」




笑顔で頭を撫でると、黒羽くんは嬉しそうに目を細めて、床についている方のわたしの手に触れた。

上から重ねられた手にこんなにドキドキするのは、どうしてなんだろう。




「苑香。……もっと撫でて」


「うっ、うん……!」




黒羽くんの手を意識し過ぎて、いつの間にか頭を撫でる手が止まっていたみたいで、スリスリと頭を擦りつけて催促される。

わたしは顔を赤くしながら黒羽くんの頭を撫でて、しばらくドキドキと闘うことになった。


黒羽くんのスキンシップ好きが発覚したこの日から、“お触り”が解禁になったけど……。

果たして、いいことって言ってもいいのかな?



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