課長に恋してます!
「そんな事言われても、上司が部下に手を出す訳にはいかんだろう」
「じゃあ、香港に行って直接の上司じゃなくなったから手をだしてくれたの?」
「まあ、そういう事になる」

 美月が笑った。

「課長、手を出して頂きありがとうございます」

 美月と顔を見合せて笑った。
 美月と結婚して笑う事が本当に増えた。

「課長にもう一つご報告があります」
「改まって何だい?」
「赤ちゃんが来てくれました」
「え」

 美月が嬉しそうに頬を赤くした。

「美月、本当に?」
「出張から帰って来たら言おうかと思ったけど、今日隼人君に言われちゃったし」
「そういう事はすぐ言いなさい。台所仕事は僕がやるから、家事も全部僕がやる」
「大丈夫よ。悪阻とかまだないから」
「でも、安定期に入るまでは安静にしないと」
「もう、幸一さんは過保護なんだから」
「そうだ。出張中は美月のお母さんに来てもらおう」
「一人で大丈夫だって。無理しないから」
「絶対だぞ。すぐに美月は無理するから心配だよ」
「心配性なんだから」

 美月が可笑しそうに笑った。
 赤ちゃんか……。
 きっと美月に似て可愛いんだろうな。

「幸一さん、ありがとう。私、幸せだよ」

 目が合うと美月が微笑んだ。
 こんなに幸せそうな美月の顔が見られるとは思ってもみなかった。
 ウェディングドレスを着た美月も幸せそうだったけど、今もとっても輝いてる。
 幸せに出来て本当に良かった。

 それにしても……。
 53才、いや、54才でパパか。まだまだ頑張らないとな。
 
 終わり
< 250 / 251 >

この作品をシェア

pagetop