課長に恋してます!
「あの……一人で、食べたくないんです」

 消えそうな声で言われた。

「え?」
「お弁当、一緒に食べてくれませんか?」

 一緒にという言葉は想定外だ。

「……ダメですか?」
「いや、ダメって訳じゃないが」

 少し厄介だ。どこで食べるのか?
 その辺の店に入って、弁当を広げる訳にはいかないし、公園というのも、もう暗い。
 フードコートみたいな所でもあればいいが、この辺にそんな場所はない。

「課長の家に行ってもいいですか?」
「家?」

 またまた想定外だ。

「それとも、家に来ますか?」

 一瀬君の家……。

 一人暮らしの、独身の、女性の家。
 いや、いや、ダメだ。

「僕の家でいい」

 勢いでそんな事を言ってしまった。

「いいんですか!」

 一瀬君が二重の大きな目をキラキラさせる。

「君こそいいの?単身赴任で、僕一人だよ」
「はい」

 一瀬君がすぐに頷いた。

 一人暮らしの男の家に来る事に警戒心はないんだろうか?
 一瀬君が少々無防備過ぎる気がして心配になる。
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