失われた断片・グラスとリチャード

エピローグ・結婚式


早朝6時、
辺境の古ぼけた小さい教会の扉を、聖職者があくびをしながら開けた。

早朝の祈祷が、7時から始まる。
村の老人たちも、もうすぐ祈りに来るはずだ。

二人の男女が、扉の前で立っていた。

男は杖をついている。
若い娘は、その男を支えるように立っていた。

「ああ、おはようございます」

聖職者が声をかけると、
男が口早に

「すぐ、結婚式をあげたいのだが、頼みたい!」

「そんな、急には・・・」
いきなりのリクエストに
聖職者は、戸惑いの表情で、顔をしかめた。

男は、ジャケットの内ポケットから封筒を取り出し、
聖職者の目の前に、突き出した。
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