俺様パイロットは揺るがぬ愛で契約妻を甘く捕らえて逃さない
「僕たちこれから、ブライダル相談会に行くんです」
「えっ? ってことは、おふたりって……」
「ええ。結婚する予定です」
意外な展開に、ぽかんと口を開けてしまう。
信濃さんって、高城さんに対して結構辛辣なことを言っていなかったっけ?
呆気にとられる私や鷹矢さんに気づき、信濃さんが説明してくれる。
「僕たちは以前交際していたのですが……翔子がCAになってからというもの、彼女は外見やスペックなど、外から見たものばかりに囚われるようになり、付き合う相手も整備士では物足りないと、僕はフラれてしまったんです。しかし、それからも危なっかしい彼女が、ずっと心配で」
信濃さんが優しい眼差しを高城さんに向けるけれど、当の本人は叱られた子どものようにずっとうつむいている。
そっか……。だから信濃さんは高城さんの情報に詳しかったんだ。
「例のSNSの写真で彼女がご迷惑をおかけしたこと、本当にすみませんでした。ほら翔子、きみも謝りなさい」
信濃さんが一生懸命促すけれど、高城さんが謝る様子はない。
やがて、深澄さんがため息をついて彼女を見下ろした。
「お前にはがっかりしたよ、高城」