ひと夏のキセキ
「何?」


「あっ、いや…なんでもない…です…」


見惚れてたなんて言えない…。


慌てて目線を逸らしたけど、遥輝にはすべてお見通しみたいだ。


ニヤニヤしながら強引に目線を合わせてくる。


「顔あっか」


「…っ」


遥輝の言動ひとつひとつに胸がドキドキする。


まるで手のひらで転がされているような気分だ。


「なー遥輝。これどうやって解くんだっけ?」


「……え?どれ?」


スンっと冷めた表情に戻る遥輝を見ると、どれが素なのか分からなくなる。


「これ。この解き方でいいっけ?」


「まーいーんじゃね?それでも解ける」


「遥輝なんでそんな勉強できんの?全然学校行ってないくせに」


そういえば昨日、学校は嫌いだって言ってたな…。


学校行ってないんだ。
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