激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


「これにしますか? 涼し気なカラーでいいですよね。このサンプルを置いてから、もう三回くらいオーダーもらってますよ」

「そう! じゃあこれにするわ」

「ありがとうございます。では、オフしていきますね」

「長さはいつも通り、伸びた分をカットしてで大丈夫ですか?」

「そうね、いつも通りで」


 前回のネイルが残っている爪先を、ニッパーで数ミリカットしていく。

 それから一本ずつ表面の厚みをネイルマシーンで落とし、ジェル剤をオフするソークオフを浸したコットンをネイルの上に置いて五センチ四方に切ったアルミホイルで指先を巻いていく。


「京香、先日は本当にありがとうね」

「え、あ、お見合いのことですか?」


 潤子伯母さんに頼まれた代理お見合いから早くも三週間近くが経つ。

 あの日にお礼の電話をもらってから、実際に会うのはあの日ぶりだ。

 今日はネイルの予約をもらっていて会う予定だったから、借りていたワンピーススーツも持参してきている。

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