激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


 事実関係を争う否認事件を担当した際、現場検証で事件現場を訪れることは多くある。

 捜査機関が作成した証拠書類だけではわからない、実際の事件現場の様子。写真だけではあくまでイメージ止まりだが、足を運ぶことで臨場感やそこで事件がどう起こったのかをより理解することができる。

 現場に立つことで発見できる証拠を見つけるため、必要があれば日本全国どこにだって出向くのが自分のスタイルだ。

 このときは、弁護を担当した無実の罪で起訴された依頼人が、実際どう事件に関わっていたのか、それを知り得るために現場を訪れた。

 有力な証拠も手に入れることができたその現場検証後、帰路で思わぬ事態に遭遇した。

 二人組の男たちに狙われたのだ。

 東京の事務所へと戻るため、最寄りの駅までタクシーを捕まえたく、近くにあったショッピングモールへと歩いていたとき、後ろから猛スピードで走ってきた車に轢かれそうになった。

 それも、狙ったように加速し、こちらに向かってハンドルをきったため、狙われていることは瞬時に気づく状況だった。

 歩道に乗り上げ、車体を傷付けながらも追いかけてくる車には、マスクにキャップを目深に被った二人組の男が乗っていた。

 ひき逃げが未遂に終わった車は、勢いよくその場を走り去っていったが、抜かりなくナンバーは記録。その後すぐに警察への通報を行った。

 その際に立ち寄ったショッピングモールで、通報を終えた俺に「あの」と声がかけられた。

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