激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


「隠さない」


 胸元を両手でガードするようにしていた私の手を、透哉さんが剥がしていく。

 恥ずかしくて死にそうだったけれど、胸の膨らみに口づけられて甘い吐息を漏らしていた。

 シャワーを浴びたいと訴えたことも忘れてしまいそうなほど、透哉さんは丁寧に隅々まで私を愛してくれる。

 胸を上下させて荒い息を繰り返すまで甘やかされた私を、透哉さんはふっと笑って額に口づけを落とす。


「まだこれからだというのに、大丈夫か」


 意地悪くそんな言い方をしながら、ゆっくりと体を繋げていく。

 もういつぶりかわからないくらい遠い記憶の男性との交わりは、私の中で良い経験として残っていない。

 しかし、自然と甘い声が漏れ出ていくほど、それは私の知る行為とは別物だった。

 乱れる私を、透哉さんは飽きることなく何度も抱き直す。


「透哉さん、好き……好き──」


 想いを口にするといっときも離れがたく、その晩ふたりの体は常にどこかが触れ合っていた。

< 170 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop