激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
「菜々恵は、あのときこんな気持ちだったんだなって、今日思った」
ひと通りを話し終わり沈黙が落ちた後、思い出すようにそんなことを言ってみると、菜々恵のほうも思い出すように「ああ……」と微笑んだ。
「私が、月と詩がお腹にいるってわかったとき、たまたまきょんちゃんが電話くれて、告白したときのことか」
菜々恵が妊娠したとき、私も同じように告白を受けた。
まさか、自分も菜々恵と同じように妊娠に困って相談する未来が待っていたなんて。
「あのときは、今みたいな未来は見えなかったから、ただただどう生きていくかだけ考えてたな」
今の私はその当時の菜々恵と同じだ。
妊娠をただ喜ぶだけの感情なんて持ち合わせていない。
これからどうしたらいいのか、考えるのはそれだけだ。
「彼には……やっぱり話せない?」
私の気持ちと状況を察している菜々恵は、寄り添った言い方で訊いてくれる。
「従姉妹との縁談が進んでいくところで、私が妊娠してたなんて、もう修羅場でしかないよね」
苦笑いを見せてみても、全く笑えるような話の内容ではない。
頭の中で作られた関係図を見てみれば、どろどろとした昼ドラの愛憎劇と全く同じだ。