激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


「ただ、開示請求には有効な期限があります。プロバイダから記録が消えていってしまうので、発信者を途中で追いきれなくなる場合がある。なので、もし依頼を決められた際には一日でも早いほうがいい」

「そうなんですか。わかりました」


 依頼を保留にすると話がまとまると、弁護士さんはタブレット端末の操作を終える。


「他に何か聞いておきたいことはありますか?」

「あ……いえ、大丈夫です。ありがとうございました」


 私がソファを立ち上がると、弁護士さんも「そうですか」と一緒に腰を上げる。


「弁護士に依頼するのも安いものではないですから、悩まれるのは当然だと思います。でも、うちはこの手の案件には自信があります。何かありましたら、またご連絡ください」


 これまで笑みを浮かべることもなく真剣に話していた弁護士さんが、不意に柔和な笑みを見せてきて、思わずどきりと鼓動が跳ねてしまう。


「はい。ありがとうございました」


 慌てて頭を下げ、相談に乗ってもらったお礼を口にした。

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