激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました


「きょんちゃん、あそぼー!」


 菜々恵と、月と詩に会うのも半年近くぶり。

 連絡は取っていたけれど、サロンのオープン準備や新しく始まった生活に追われて会うことが叶わなかった。

 だから、このマンションに遊びに来るのも半年近くぶり。

 菜々恵たちが引越ししてきた当初、一度遊びにお邪魔した以来だ。


「うん、遊ぼう! 何して遊ぼうか」


 リビングの奥、全面のガラス窓の向こうには広いバルコニーが見える。

 子どもたちが遊べる小さなブランコと滑り台が置かれていて、つい笑みがこぼれた。


「きょんちゃん、いまね、ブロックやってたの。いっしょにつくろう!」


 そのバルコニーが見える窓の近くで、ふたりはブロックを広げていた。

 建物のようなものがたくさん作られている。


「これがね、うたのおうち。となりのあおいおうちがつきのおうち。それから、こっちのおおきいのがね、パパのびょういんなんだよ」


 しっかり者の姉の詩が私に丁寧に説明をしてくれる。

 するとその横からいつも元気な弟の月が出てきて、「きょんちゃん、ここみて」とブロックを指さした。

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