激情を抑えない俺様御曹司に、最愛を注がれ身ごもりました
タクシーに乗り込み、約三十分。
香椎さんから行き先を告げられていたタクシーは、目的地に着くと私に支払いを求めることなくドアを開ける。
「すごいマンション……」
マンション前で停車したタクシーから降車し、聳える高層タワーに感嘆のため息が漏れた。
とんでもなく豪華なハイグレードマンション。
太陽の陽を浴びる建物は、ブラウンカラーだからか外壁がゴールドのように光って見える。
南青山という一等地にこのグレードのマンション。家賃は私の想像がつかないような額なのだろう。
ボストンバッグを片手に、そろそろとエントランスを目指す。
一階部分は車寄せで広くスペースら取られ、天候の悪い日でも車の乗り降りがしやすそうなつくりとなっている。
ガラス張りの自動ドアを一枚入っていくと、二枚目の自動ドアの前にオートロックが設置されている。
香椎さんに言われていた部屋番号を押し呼び出しをすると、すぐに向こうから先に到着している香椎さんが「着いたか」と応答した。