【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
(良いんだよ、マリア。もっとゆっくり大人になって良い)


 大人の顔色を伺いながら生きていても、良いことなんて一つもないんだから。純粋無垢で、感情のままに笑ったり泣いたりするのが子供ってものだ。完璧なところなんて一つもなくて、失敗だらけが当たり前。寧ろ順風満帆な生活を送っていると、後でつまずいた時に苦労するんだから。


(でも、マリアは今日のために頑張ってきたんだもんね)


 いくらわたしが親代わりとしてダメダメでも、少しぐらいは褒めてやらないといけないだろう。
 ぶっきら棒に頭を撫でたら、マリアは顔をクシャクシャにして笑った。


「それではマリア様、お待ちかねの王子様に会いに行ってみましょうか?」

「うん! セドリック似の王子様! 会えるのずっと楽しみにしてたの!」


 見るからにワクワクしているマリアを引き連れ、わたし達は広間の一角――――王族御一行のところへ向かった。


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