夜と遊ぶ

男の方が、銀色の拳銃を俺に向け、スライドを引いた。


「デザートイーグル…か。
カッコ良すぎて痺れんだけど」


目の前のこいつらは、きっと、一流の殺し屋。


男の方は、デザートイーグルみたいな怪物銃を片手で持っている。

女の方も、着ているコートの中に銃を隠しているだろう。


こいつらを俺の所に寄越したのは、竜道会。


けど、竜道会に今夜俺が護衛も付けずにこの部屋に居ると、チクッたのは…。



『いっちゃん、どう?
俺からの誕生日プレゼントは?』


そう、電話口から冷たい声が聞こえる。


「最高。でも、俺はまだ誕生日じゃない」


俺を殺ったら、さっさとこいつらを海外に飛ばして、って算段か?


犯人はきっと、捕まらない。


『0時ちょうどに、引き金を引いて貰う。
後、2分くらいだね?』


「そっか。
高崎も、そうやって竜道会の奴に殺らした?」


俺と真湖ちゃんが別れて暫くして、高崎は永倉二葉を殺した。


すぐに、誰が殺ったのか、それはナガやんの耳に入ったのだと思う。


ナガやんは、俺が糸引いた事だと分かっていながら、ジュニアが殺された事を俺に話して来た。


鈴城組の高崎が殺ったのだと。


お互い白々しく何も知らない振りして、俺も永倉二葉の死を悲しみ、泣いた。


そして、ナガやんは、どうやってそうしたのか迄は分からないが、
竜道会の奴に、高崎を殺らしたのだろう。


表向きには、高崎は行方不明だけど、きっともう生きてないだろう。


『英二とかいう奴と、高崎君は、簡単に拐えたけど、
やはりいっちゃんは、こっそりとかは難しいから』


ジュニアの舎弟の英二も、高崎とつるみジュニアを罠にハメて殺ったみたいで、
一番初めに、殺された。


ナガやん自らが、英二を殺した。

ナガやん本人から、聞いた。


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