復讐日記【自滅編】
殺されるべき人間
 Cは子どもの頃から自分より年下の可愛い女の子を見ると、弄りたくてしょうがない衝動に駆られた。子どもの頃は「可愛い!」と叫んで飛び付いたりした。それをイヤがられることはなかったし、大人はそれを微笑ましく笑って見ていてくれた。だが、大きくなるにつれ思いは遂げられなくなり、変態扱いされるようになった。中学に入った頃には、自分でも変態だと自覚するようになった。小さくて可愛い女の子を見ると、性的欲望が抑えられなくなったからだ。
 女の子が独りで居るのをみつけると、下着を脱がせたり、体を触ったり、顔を舐めたりした。すると、その界隈で変態が出没して女の子を襲うと噂になり、警察官がパトロールするようになった。仕方が無いので暫く成りを顰めていた。
 母親は教育に熱心で、常に成績が良いことを求められた。独りっ子で大事に育てられたせいもあり、母親はCの欲しい物を全て買い与えていた。父親は上級公務員だ。その妻であるというプライドあったのだろう。良い服を着て、化粧をしっかりし、いつも気取っていた。勿論息子のCに異常な性癖があるなどと知るわけもなく、世間に知られたらとんでもないことになる。
 成績は良い、品行方正だ、見た目も悪くない。このまま大人になって父親のような上級公務員になって良い暮らしをするはずだ。母親みたいな口うるさい女と結婚するのだけはやめよう。出来れば可愛い子が良いな。

 最近家の周りで可愛い女の子が2人遊んでいる。見ているとムラムラする。短いジャンパースカートから覗く白い下着にそそられる。声をかけてみた。無邪気な女の子たちはCを疑いもしない。何しろ近所の住人なのだから、顔見知りだ。
 母親が居ない間に家に引き入れた。お菓子を出し、ジュースを出して…さりげなく体を触り、ふざけたふりをしてスカートめくりで遊んだ。唇や首筋を舐めた。下半身を触った時、流石に女の子たちの顔色が変わった。この辺でやめておこう。今日のことは内緒にしてね、と言って解放した。
 近所の子だしな、言いふらしたりはしないだろう。
 その後は大した事件も起こさずに、Cは普通に大人になった。可愛い女の子への興味は相変わらず異常だ。色んなことをしたがバレなかっただけ。

 大学を卒業し公務員になった。職場で知り合った可愛い女性と結婚した。小さくて可愛くて毎晩彼女の体を弄り回すのが楽しくてしょうがなかった。
 すぐに子どもが出来た。女の子だ。可愛い。自分の子どもでもこんなに可愛いと感じるのか。好きなだけ弄れるというのはラッキーなことだ。毎日ワクワクした。
 娘が大きくなると、Cは妻や娘から興味が離れてしまった。どういうわけか、妻も娘も自分に近付かなくなったのだ。自分は働いて疲れて帰って来ているのに、娘と一緒に風呂に入ることも出来ず、妻とも寝室が別になった。腹立たしい扱いだ。
 欲望が叶えられなくなった。それなら学生時代のようにまた近所で可愛い女の子を探そう。

 近所には子どもが多い。可愛い女の子が多い。公園のベンチで女の子を物色していた。女の子の中で一番可愛らしく、着ている服がフリフリの女の子に目を付けた。まだ明るいうちに帰路に就く女の子の後をつけた。人気の無い路地で抱き上げた。軽々と持ち上がった。娘と同じくらいの重さだ。愛おしさが込み上げた。
 団地の敷地内にある物置小屋に連れ込んで、下着を脱がせた。声を出せない程怯えている女の子がますます可愛らしい。
 とその時、背後で物置小屋の扉が開く音がした。大人の男が数人立っている。何故だ? 周囲に誰も居ないことを確認したのに。1人が女の子を抱え上げた。女の子は「パパ!」と叫んだ。女の子の父親だったのか。近くに居たのかな。失敗した。
 よく見ると残った全員が手に刃物を持っている。全員がCの周りを取り囲んだ。全員が同時に腕を振り上げ、そして振り下ろした。飛び散る血しぶき。Cは声を上げることも出来なかった。

 それから何日も経つが、事件発生の気配が無い。
 Cの妻はCの捜索願を出した。が、発見されることはなく、7年後に失踪宣告がされた。
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