地味系女子のワケあり事情。








「ねーねー、そういえばさ…波留?
私の婚約者ってどんな人だと思う??」


「はぁ、呆れた。今帰りのホームルーム始まってるよ?もう……。」






教室にはとっくに着いたし、ホームルームも始まってるけど話すのを止める気は少しもない私。




呆れられちゃった……




「そうだ、みんなに重要な話がある。
…今から、突然で悪いが明日から転入する奴を紹介するな。帰りなのに、とか思わないでくれ。
悲しくなる、思ったやつ…ぴえんぴえんだぞ。泣いちゃうぞ。」



久しぶりに先生の言葉が頭に入ってきた。


『ぴえんぴえん』って言葉だけだけど。




それにしても、今の時期に転入って珍しいなぁ…。





なんか、楽しみ。





「楽しみ…波留、どんな人だろうね!」


「………はぁ。うるさい心優。」



え……。



え。




「波留ひどい!!」


「は?何がひどいの。」


「塩対応…じゃん…。」


悲しくなる…よ…?




「…あ゛?なんか言った?」



ひぃぃ…。

「・・・。」



「やっと静かになったな。じゃあ紹介する。入っていいぞ。」


『やっと』静かになったってどう言う意味ですか!


まるで私が………ま、まあ確かに、うるさかったけど。







そうだ、転校生どんな感じの人かな〜。


悠人だったりして!



…あるわけないけど。





ガラガラガラ




「え…?はる…と?」



タッタッタッタ。


「こんにちは〜、流風です!みんな、仲良くしてね!!」





目の前に現れたのは、ずっと前から好きだった…。




悠人の…弟だった。




ザワザワザワザワ



「やだ、ちょ、イケメンじゃん!!」

「きゃ〜〜〜めっちゃかっこい〜〜〜!」

「癒される…これから一緒に学校生活送れるなんて、嬉しすぎるよ…。」


ザワザワザワ


まだ女の子の黄色い悲鳴が続いている…。


流風くんはまんべんの笑みを浮かべて黒板の前に立っていた。


そういえば、前に女の子からの声が嬉しいっていってたような…。



ははは…相変わらず人気だ、流風くん。



流風くんは悠人と一卵性の双子で、同一人物と言われてもほとんどの人は気がつかない。



私もさっき間違えそうになってしまった…。

前は見分けられたのに、なんか二人とも似てきちゃったからなぁ…。


でも、性格は全く違う。真逆と言っていいほど。



流風くんは可愛い犬系の男の子、悠人はツンデレ王子、みたいな感じ。
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