恋と、餃子と、年下男子
「続きまして、上期は社長賞の表彰がございます。お名前をお呼びしますので、該当者は壇上までお願いします」

 会場が一気に騒めく。何だ、社長賞は取り消しになったんじゃないの? という声がどこからともなく聞こえてくる。
 
「商品開発部冷凍食品・冷凍餃子担当チーム四名。渡辺(わたなべ)茂夫(しげお)久保(くぼ)一誠(いっせい)薬師寺(やくしじ)(もも)、本多萌子」

 ——え?

 ぽかん、とする私たち。
 何が起きたの、今。

「……モエモエ先輩、今、あたしら呼ばれた……?」
「た、多分……。ていうかヤッシー、ももちゃんなの?」
「だあああっ! 触れないでそこ!」
「おい、俺ら呼ばれたぞ、桃ちゃん!」
「桃ちゃんって呼ぶな久保っち!」
「とっ、とりあえず行きますよ皆さんっ!」
 
 わけのわかっていない私たち四人は、全員めちゃくちゃ緊張しながら壇上に上がった。営業部の一画にいた貴之と目が合ってしまい、彼の方がもっと驚いていることに気が付いた。顎が外れたように口をあんぐり開けて、そこそこイケメンなのに台無しだ。
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