心の温度
〜…〜…
電話を掛けながら北川さんの側へ行く。
「あ、お兄ちゃん?」

「知恵、北川さんが自宅で倒れてて反応がないんだ。どうすれば良い?」

「お母さん!お母さん!」と啓太くんは叫んでいた。
「う〜ん」と北川さんが気がついた。

「知恵、今北川さんが気がついた。」

「じゃあ、熱を確かめてみて!」

「啓太くん、お母さんの熱を確かめるな」と言ってオデコに手を当てると高熱があるとわかる。

「知恵、熱があるみたいだ」

「じゃあ、ベッドに寝かせて氷枕と冷却シートを貼っておいて。私、今から行くからさ」

「ああ、頼むよ」ピッ!

「啓太くん、お婆ちゃんとお爺ちゃんにもおじさんから連絡するからな。知恵もこれから来るから大丈夫だよ。ビックリしたなぁ。でも偉かったな。大人を呼びに来てさ…」と言って、ぎゅーと啓太を抱きしめると少し震えていて、ぐすんぐすんと安心して泣き出した。

「もう、大丈夫だからな。」と言って啓太の背中をしばらくさする。「さぁ、啓太くんも一緒におじさんちから氷枕と冷却シートを持ってこような」

「ゔ…ん」
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