心の温度

「ま!その辺は任せろ。ところでお前は北川さんの事どう思ってるんだ?
恋人役はイヤイヤ引き受ける感じ?それとも北川さんに好意を持ってるの?」

「う…ん。まだ良くわからないけど、彼女は本当に子供思いだし、優しいし素直な人だと思ってる。ただ、男に警戒心がないから心配かな」
「じゃあ、好きって事だな」
「は?だから!いい人だって言ってるの」
「だから、好きなんじゃん。お前枯れすぎて好きって気持ち忘れたんじゃあないのか?」
「俺が北川さんを好き?」
「ああ!お前は北川さんとご両親も含めて、息子さんの事も好きなんだよ」

「え〜!大輔何言ってんだよ」

「お前こそ、最終の責任取ることも考えずに恋人役やるの?お前の中で北川さん親子との未来がイメージできるなら、時期をみてプロポーズする気持ちで恋人役をやれ!それが出来ないなら北川さん家族に関わるなよ。」

「……頭が混乱してきた」

「悟、北川さんはお前の元奥さんとは違う人なんだぞ!彼女ならダンナが海外転勤になったら仕事を辞めてついて来てくれるような女性だと俺は思う。」

「……もう少し1人で考えて大輔に報告するわ」

「おお〜。そろそろお前を住宅部門から卒業させるつもりだからな。覚えておいて。」

「え、卒業?どういう事だよ」

また電話の向こうから「かいじゅう〜どこだ〜!」とユウくんの声がする
「まぁ、追々な!あ!ユウレンジャーが来たから切るぞ。」
「ああ、ありがと大輔」
「おお!良く考えて答えを出せ〜じゃあな」
「ああ」ピッ!

悟は大輔の言った『最終の責任取ることも考えずに恋人役やるの?』という言葉にハッ!っとさせられた。
俺は"好き"なんだ……そうかぁ好きなのか…。
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