心の温度
自席につき朝礼前に隣りの席の岸本さんが
「せんぱ〜い。出向ってなんなんですかぁ〜寂し過ぎます!!
それにこれから誰を頼ればいいんですか〜?」

「ふふふ。岸本さんならもう私がいなくても立派な経理課の社員だわ」
「いつ引っ越しなんですか?」
「まだはっきりしてないの」
「そうですかぁ〜」

「じゃあ、朝礼始めます」っという課長の掛け声で朝礼が始まり、私の出向の報告もされた。

朝礼が終わったら今日は私指名の精算処理は全て課長が受け持つ事になり、私は部長依頼のいろんな精算のマニュアルを見直す作業をする事になり、経理課のミーティングルームに籠る。

経理課の入り口で何やら揉めてるようだ…

「え〜課長? マドンナはまだ具合が悪いんですか? 最後にマドンナに会いたかったのに〜」
「君、会社は仕事をするところですよ!それにこの申請書は大昔の書式なので書き直して下さい。」

「え〜〜」と言って新しい書式の申請書を渡す。

「はい、次の方。」
「あ、課長…コレを…」
「ん? コレは私ではなく、部長案件ですのでお待ち下さい。 部長。お願いします。」
「はい。何かな? この書類?………オイ、誰に頼まれた?」
「あの……岩田先輩に…」
「ナニ!またアイツか!よし、これから営業1課へ行くぞ!」
「あ、はい……」
課長が受付なんて鬼が待ち構えてるようなものなので、経理課へ来る男性社員が減ってきた。

岸本さんが、課長とトンチンカンな社員のやり取りをモノマネしながら教えてくれた。
岸本さんの課長のマネが似すぎてお腹を抱えて笑った。
久しぶりに大笑いしたと思った彩音だった。
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