心の温度
その後レストランで真野御一行様でカニ付きのお食事をいただいた。
悟さんが乾杯の音頭をとる。
「まさか、この旅行で嬉しい報告ができるとは思いませんでした。これからもずぅーと仲良くしましょう! カンパーイ!!」

「カンパーイ!」カチン♪

「わぁ、お爺ちゃんやお婆ちゃんにはカニがある〜」

「ガォ〜カニさんだぞ〜!ハサミは力が強いんだぞ〜」っと、両隣の啓太と七海ちゃんにカニを掴んで、近づけると
「わぁ〜!ビックリ」
「きゃ〜」
「でも、食べると美味しいんだぞ〜」
「「食べたい!!」」と喜んでいた。

「彩音さん、子供たちにカニ食べさせても大丈夫?
おなか痛くならない?」

「啓太はアレルギーもないので大丈夫だと思いますが、カニの足1本くらいでお願いします」

「はい。では2人ともこのカニの足を持って、お爺ちゃんと一緒に簡単に身を食べる方法を教えるね!」
塚田さんはカニの足を2人に渡して、
「じゃあ、ちょっと力を入れて〜入れ過ぎたら失敗するからね〜」と言って指導が始まった。

なぜか大人達も同じようにカニの足を持ち、塚田さんの言う通りに関節近くをポキッ!そして、そ〜と引っ張るとツルリン〜と身が出てきた。

みんなの結果はそれぞれで面白かった。
「お爺ちゃん、何も出てこなかった〜」
「ああ、それはポキッて折れちゃったから〜残念〜」
「お爺ちゃん、ポキッて出来ない!」
「どれどれ〜ポキッ。さぁこっちを引っ張ってごらん」
「わぁ〜出てきた!」

大人たちは塚田さんの通りやると簡単に身を食べてる。
啓太も七海ちゃんも楽しそうだったし、やはりカニを食べる時はみんな無言で真剣だった。
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