心の温度
三島といつもの居酒屋で待ち合わせ***

三島の方が先に席に座っていた。

「よう!お待たせ」
「お疲れ〜お前からのお誘いなんか珍しいよな」
「そうか?本社に戻っても余裕なくてさ〜」
「エリートが何をホザいてるんだか…」
「マジでキツいんだぞ〜」
「生ビールでいいか?」
「うん。枝豆も〜」
すぐ生ビールが運ばれてきた。
「お疲れ〜」「カンパーイ」カチン♪

「今日さ、変なウワサを社員食堂で耳にしたんだけどさ〜。本山って離婚したの?」
「ウワサだとらしいぞ。名札も北川に戻ってた」
「アイツってさ、ホテルマンの彼氏と結婚したよな」
「確かそうだと思う。だって学生の頃から付き合ってたよなぁ」
「入社して4年目くらいでサッサと結婚したし」
「旦那の浮気か?」
「さぁ、離婚の理由は知らないけどさ〜」
「ふ〜ん」
「あ、そういえば…【経理課のマドンナ】のファンが社宅で見かけたとか何とか言ってたような」
「社宅?社宅なんて家賃安いから満室だろ?」
「イヤ、今はそうでもないらしいぞ〜家に帰っても会社モードになるから新入社員なんか入らないらしくて、離婚した単身者が入居してたりするらしいぜ」
「へぇ〜俺が戻る時は満室だったからなぁ」
「家賃安いからなぁ。予約すれば?」
「ワンルームだよなぁ」
「でも通勤は近いから助かるじゃん」
「俺ももう一度聞いてみるかなぁ〜残業多いから近いと睡眠時間が取れるもんな。」
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