オー!マイ・ハワイ!
そう考えているうちに、まなみの中で何かがプツンと切れた音がした。

「おい詩乃!!」

修二が怒るのと同時にまなみも話し出していた。

「詩乃さん、修二さんは私にとって、とても大切な方なんです。だから詩乃さんが何と言おうと、別れる気持ちはございません!!」

まなみはゆっくりと、重々しく強く、詩乃にそう言い放った。

「……っ、私はあんたなんか認めないからね」

詩乃はきびすを返して、ラウンジの方へ戻っていった。
「修二、いこっ」

まなみはそういうと、修二の手を取りホテルの出入り口に向かって、無言で歩いて行く。

「車もってくるから。ここで待ってて」

そう言って駐車場へ向かう修二を見送ると、まなみは深いため息をついてヘナヘナとそこへ座り込んだ。

まなみがケンカっ早いのは昔からだ。小学生の頃は男の子とケンカして泥だらけになり、母親によく叱られた。

それにしてもあそこまで言われて黙っていられなかったし、啖呵切って怒鳴りたいくらいだった。いままでの自分だったら髪の毛をつかみかかったかもしれない。

そうすれば間違いなく警察沙汰だ。しかもハワイで。それだけは避けようと理性も働いた。

ああ言ってしまった以上、もうあと戻りできない。別れるのがわかってても、ハワイで最高の想い出がつくれる、それならいいでしょ?

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