笑顔が消える
修也3️⃣

親父は、おもむろに立ち上がり
リビングから出て
封筒を持って戻ってきて

封筒中身をテーブルに並べた。

それは、俺の調査書だった。

俺は、それを手に取り読む
美弥との出逢いから
金曜日の事
物件探しの事
直ぐに決まったのに
のらりくらりしていたこと
手付は、早くに払っていたこと
細かく記載されていた。

物件探しに美弥の運転する車に
乗っている写真から
車の中でキスをしている写真
金曜日にレストランに入る写真
一緒に歩いている写真
腕を組んで歩いていたり
抱きあったりしている写真
美弥の部屋に入る所
出てくる所、数々の写真

俺は·····なんて······ことを··········

母は、涙をこぼしている。
父も辛そうな顔をしている。

「修也。
五年は、長い。
もう、取り返しはつかないんだ。」
父親の言葉に頭が垂れる。

俺は、離婚届を出して
自分の欄に記入した。

父親は、それを確認してから
折りたたみ
「明日、提出してくる。
今後の事は、俺の友人に頼んでいるから
明日話してくる。」
と、言ったが
俺は、調査書と写真に
ショックを受けていて
うまく話しが聞けていなかった。

俺は、どうやって帰ったのか
自分の家にいた。
< 27 / 57 >

この作品をシェア

pagetop