夢の中だけでもいいから私に愛を囁いて

夢か記憶か?


私は子供の頃からよく夢を見ていた、そして覚えていたんだと思う。人と比べたことなどないので、その頻度はわからないけど…。

《ひゃー…ドン》
ハッとしたところで目が覚めて、それが夢だったと分かる。

「はぁ…朝から嫌な夢だった…」

呟いたところで目覚ましのアラームが鳴り、それを止め布団から出る。

あくびをしながらダイニングに行くと母から声を掛けられる。

「おはよう。なんだか朝から疲れた顔してるわよ」

「うん…嫌な夢を見たの」

「嫌な夢って何よ」

「階段から落ちる夢…落ちたところで目が覚めた」

テーブルの上のミルクを一口飲んでため息をつく。

「あらいやだ。正夢じゃないでしょうね…とにかく今日は気をつけなさいよ」

自分でも考えていたことを母から言われて改めて気をつけようと思う。

昔、塀から落ちる夢を見たとき、段差に躓き怪我をしたことがあった。階段から落ちるなんて本当にやりそうで不安になる。

朝食を食べ終え家を出る。

「いってきます」

「本当に気をつけてね。いってらっしゃい」
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