鷹臣くんは盗みたい
俺の頭の中が、フリーズ状態。
座ったまま
目をキョロキョロ泳がせてしまうほど
俺は動揺している。
そりゃぁ、涙目で探すよなぁ?
彼氏との甘い思い出が詰まった、大事なペンなんだから。
そっかぁ。
美月は売却済みだったのかぁ。
付き合ってるなら、俺に言えよ。
変な期待、持たすなよ。
そんなことを思っても、俺はちゃんとわかってる。
美月は悪くない。
悪いのは俺。
勝手に好きになって
告白する度胸すらなくて
俺だけに向けられた美月の笑顔を
堪能してきただけの
行動力も勇気もない、俺のせい。