寡黙なトキくんの甘い溺愛

新オリの時の私は、お化粧も髪型も、しずかちゃんの手で可愛くして貰っていた。

だけど今は、入学した時と一緒の格好。前の私に戻っている。

といっても、髪の毛だけは少しずつアレンジを練習してる。


だって……


トキくんがくれた髪ゴムを、可愛く使ってあげたいんだもん。



「その〜オリエンテーションの時は……ま、魔法みたいなもので」

「あら、じゃあシンデレラみたいに魔法が解けちゃったのね」

「そ、そんなところですかね!」



当然、揶揄だって分かってくれてるだろうけど……。うみ先生は興味があるのか、更に私に近寄って尋ねてくる。



「で、魔法にかかってた時。何か得たものはあった?」

「得た……もの……?」

「人でも物でも想いでも――何でもよ」

「(想い……)」
< 175 / 335 >

この作品をシェア

pagetop