「仕事に行きたくない」と婚約者が言うので
 昨日、騎士団の訓練に参加していたマンフレットは味噌っかすの第三王子ではなかった。あの場を仕切り、号令をかけ、命令を出し。そこにいる団員たちを引っ張っていくような存在。

 うーん、困ったな、という表情をマンフレットはしている。

「どうして私の前では、あのような姿を見せるのですか?」

「だって。君は味噌っかすの第三王子が好きなんだろう? だから、君に嫌われないようにするため。それに、君に甘えるのは、俺の癒し。あんなむさ苦しいところで訓練しているんだ。少しくらい、ご褒美があってもいいよね? それに昨日も言っただろう? 君に抱き着いてから仕事に行きたいんだ」

「ご褒美になりますか? こんな年増が。私に抱き着いて、いいことありますか?」

「年増? まったく、誰がそのようなことを君に言うんだい?」

「誰、というわけでなく。周りの方はそうおっしゃっておりませんか?」
 何しろヘラルダの方が六つも年上だ。

「さあ? 少なくとも俺は思っていないからね」

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