闇の総長はあたらよに運命の姫を求める
 櫂人のクセ。

 気持ちが昂ると、甘い言葉の羅列が始まる。

 溺れそうなほどの独占欲も混じって、私も胸がいっぱいで苦しくなった。


「か、いと……も、それくらいで……」


 耐えられなくて許してと懇願したけれど、何言ってるんだ? と軽く跳ねのけられる。


「おしおきだって言っただろ? まだまだこれからだぞ?」

「ええぇ……?」


 かくして、私の願いは聞き入れられず、その夜はひたすら甘い言葉に溺れるように抱かれた。

 櫂人のおしおきは、甘すぎた……。
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