【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
 問い詰める私に愛良は可愛いことを言ってくれるけど、今の状況では素直に可愛いと思えない。

 私の様子に愛良は不安そうな顔で聞く。

「お姉ちゃん、一緒に来てくれるんだよね……?」


 上目づかいの愛良。
 うっ、可愛い。そして断れない。


「う、うん。もちろんだよ。愛良一人では行かせられないもん」
「良かった、ありがとうお姉ちゃん!」

 キラキラした笑顔に“やっぱり行かない”とは到底言えない。


「良かった。これで話はまとまりましたね」

 田神さんが笑顔でそう締めくくった。



 何故か私も転校することになったけれど……。

 愛良を転校させないようにしていただけのはずだったのに……。

 あれ? つまり私、愛良に巻き込まれた?


 後戻り出来ない状態に、私は途方に暮れていた。
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