【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。
4.それぞれの想いと再会

それから

「聖良さん、これそこのテーブルに運んで頂戴」

「分かった!」

 慌ただしく返事をして、私は頼まれた飲み物をテーブルに運ぶ。


 私だけじゃなくクラスの皆が慌ただしく動いていた。

 昨日から学園の中は騒がしい。


 なぜなら学園祭真っ最中だからだ。


 私は夏休みが明けて少ししてからこの城山学園に転入したから、学園祭の準備はほとんど参加させてもらえなかった。

 まあ、それ以外にも色んなことがあり過ぎて準備を手伝うどころじゃなかったんだけれど。


 でも、流石に本番当日も何もしないわけにはいかない。

 何をするのか、私に与えられた役割は何なのか。

 それだけは聞いていたので、今まさにその役割をこなしているところだ。


 役割。
 つまりはクラスの出し物である喫茶店のウエイトレス。

 何だかメイド喫茶だとか色々案があったらしいけれど、それを集約して結局仮装喫茶になったとか。


 みんな準備をしていたみたいで結構本格的。

 ちなみに私はそんな準備は出来なかったのでデパートで買ってきた市販の衣装だ。

 悩んだけれど、無難に動きやすそうだったメイド服に決めた。

「お待たせしましたー」

「あ、聖良先輩」

 飲み物を持っていくと、そのテーブルには俊君と浪岡君が座っていた。


「二人とも、来てくれたの?」

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